外為法はなぜ特に違反に厳しいのか。重要性につき解説

商社やメーカーにおかれましては製品を外国に輸出をする際に避けても避けられない法律の一つに外為法があります。

外為法とは正式名称が外国為替及び外国貿易法です。

外為法は行政法の一つで、非常にペナルティが思い法律として知られており、例えば法人に対する罰金刑としては最大10億円と規定され経営陣も非常にその違反リスクを恐れている法律といわれています。

ではなぜ外為法は違反時のペナルティが特に重たいのでしょうか。

その理由につきこの記事でまとめたいと思います。

外為法の目的

まずは外為法がどのような目的で制定されているのかを確認しましょう。

第一条

この法律は、外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もつて国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

つまり外為法はまず国際社会の平和と安全の維持を達成することを目的としています。(究極の目的は国際収支の均衡以降)

本来であれば自由に外国と貿易をすることが原則ですが、全ての国が高い倫理観を持つ法令遵守な国ではないですよね。今でも戦争は世界で発生しています。日本が属する自由主義を標榜とする民主主義国家陣営からすればロシアによるウクライナ侵略、中国による台湾への軍事圧力等の専制主義国家による侵略行為等は国際社会の平和及び安全の維持を達成する目的には大きな障害だと言わざるを得ません。

そこで外為法では国際社会の平和及び安全の維持という目的を達成するために、必要最小限の管理又は調整を行うと規定しています。この必要最小限の管理と調整とは何かが具体的に規定されているという関係性です。

なぜ必要最小限の管理又は調整なのかというと、日本国憲法には経済活動の自由と学問の自由を保障しているからです。

あくまでも国際社会の平和及び安全の維持という目的を達成するために公共の福祉に反しない範囲で外国との取引や貿易を規制しています。つまり日本国からしたら外為法で規制されている内容は必要最小限のものであり、それを違反する場合には国際社会の平和や実現及び安全の維持が脅かされるためペナルティは非常に重いということです。

この必要最小限の管理、調整のことを安全保障輸出管理と言います。

安全保障輸出管理の重要性

安全保障輸出管理とは国際社会の平和及び安全の維持という目的を達成するための必要最小限の管理又は調整だと言いました。

具体的には次のことが該当します。

・一定の機能や性質を有する貨物や技術の取引制限

・需要者や用途に問題がないか等の事前管理

これらを外為法に基づき実施しており、国際社会の平和を脅かすような技術や製品を外国に提供する際には許可を取得するようにしています。

ただし多くの商社やメーカーにとって自社は戦争に使われるような軍事的な技術や製品は取り扱っていないと思われるのではないでしょうか。

しかし日本製品は炭素繊維やNC工作機械等世界トップクラスの製品が多く、大量破壊兵器等の開発を企む北朝鮮などのような懸念国家や国際的なテロリストからすればそれらを軍事転用してしまうリスクがあるわけです。

よって民生品であっても外為法で規制する必要があるわけです。

安全保障輸出管理の成り立ち

外為法で安全保障輸出を規定しています。

しかし、外為法は国際社会の平和及び安全の維持を達成するためのものなので、日本国のみで頑張っても実現できません。

そこで高度な技術を有する先進国が中心となり一致団結して安全保障輸出管理をする取り組みが実施されています。

具体的には次の2つです。

①国際条約

②国際輸出管理レジーム

国際輸出管理レジームとは国際的な合意です。強制力のある条約ではなく紳士協定になりますが、参加各国は国内の輸出管理法制度を整備する責務が発生します。

国際条約は強制力のあるものなので締結する意味は分かりますが、なぜそれとは別に紳士協定である国際輸出管理レジームにも参加する必要があるのでしょうか。

それは安全保障輸出管理は時代と共に変わるからです。

地政学的なリスクや使用される武器は日々変わります。そのため条約では柔軟性に欠けるため国際輸出管理レジームて足並みを揃えることが必要になるわけです。

国際輸出管理レジームは毎年見直され、参加する国は自国の輸出管理法制度に反映しております。

そのため紳士協定を遵守する責務を負う参加国同士で製品や技術を提供する際には他の参加しない国と比べて手続等が緩和されることも特徴の一つです。

この輸出管理レジームに参加する国のことをグループAと呼び、輸出貿易管理令の別表第3で規定されています。

まとめると外為法はこの国際条約と4つの国際輸出管理レジームを基に毎年のように改定されるため、各国と協調出来るということです。

まとめ

外為法がなぜ特に違反に厳しいのかにつき説明しました。

外為法の立法目的は国際社会の平和及び安全の維持を達成することです。そのための手段として必要最小限の管理又は調整という形で安全保障輸出管理を輸出者に義務付けています。

安全保障輸出管理は必要最小限の規制なので、それに違反すると国際社会の平和及び安全の維持が脅かされ、他のレジームに参加する先進国との紳士協定違反にも繋がるため厳しい処分を課すということです。

皆様が取り扱う製品や技術が優れていれば優れているほど、専制主義的な国家やテロリストからすれば軍事転用出来る可能性があるため垂涎の的になります。

引き合い時点から購入先の過去の軍事的な関わりや用途を確認して、許可が無く引き渡していいものかを確認することが法律上求められています。社内の管理体制は外為法の要求を正しくチェック出来るような体制となっていらっしゃいますか。

外為法違反は場合によって会社の存続が危ぶまれるほど重たいペナルティが課せられます。ご注意ください。

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